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頭の中はゲームでいっぱい

クリア後の世界

すれ違い通信おもしろいなー。
これでもらったLv90台の宝の地図に行ってなんとかボスを倒したのだが、その後欲を出して宝箱探しをしてたらザコ敵に倒された。「強いザコ敵」を表す的確な言葉が必要だよな。


しかしいろんなサイトで言われてるけど、ドラクエ9はスタッフロールを見てからが本番だよね。ほかにもこんなゲームがあったと思ったら、ポケモンだった。
ポケモンってリーグ制覇までが長いチュートリアルみたいに見えるけど、実際そうやって作ってるらしい。

TK: Normally, for RPGs, you come up with the plot, and that's the storyline that you have. And definitely, we do have that. But also, we have another plot, to talk about the functions of the game.


So we create the plot based on the functions and where we should put them. "This new function, this new element, here, there..." In the end, it becomes an entire big plot.


JM: That's why there is the Battle Frontier, after the game. That's where the best of the best trainers go and battle.

Gamasutra - Features - The Art of Balance: Pokémon's Masuda on Complexity and Simplicity

ポケモンは普通のストーリーのほかにも、機能を適切な順番で説明できるようなプロットが作られる。だからやりこみ施設のバトルフロンティアはゲームが終わった後に出てくる、と。


ポケモンのストーリーってほんとに美しい構成になってるね。
図鑑完成の旅に出る→いつのまにか目的がジム制覇や悪者退治にすりかわってる→なんやかんやあってポケモンリーグ制覇→殿堂入りのとき博士が図鑑を評価。「あんまり集まってないね」→スタッフロール後、真の図鑑完成の旅が始まる。
DPtだと殿堂入りのときの図鑑評価がなくなってる*1けど、図鑑を埋めないと入れないエリアがあるので結局流れは同じ。
こうやって、同じ世界を別の目的で冒険できると、世界に深みが出るとか、新しいマップを作らずして新たな遊びが作れるとかあって、いろいろオトク。
ただ、スタッフロールまで全編チュートリアルみたいな気持ちで作らないとプレイヤーがついてこないって考えると、ゲームを作るのは難しいなあとも思う。


さてドラクエ9のほうだが、スタッフロール時点での不完全さの演出は相当絶妙だと思う。これについては僕がとやかく書くより、ここを見たほうがわかりやすい*2

スタッフロール後にタイトル画面に移行することなくゲームが再開する点や、再開地点が転職できる神殿近くという点も、新しい冒険が始まるよっていうメッセージなんだろうなあ。
消化不良になるほど多くのクエストや錬金レシピが道中にあるのも、スタッフロール後にちょこちょこやっていくのを想定されてるのかしら。

ちょっと脱線するけども、スタッフロールまでは冒険のベクトルが縦横(人間の世界)+上(天使界や神の世界)だったのが、スタッフロール後は下(宝の地図の洞窟)になってるのも対称的でいいよなあ。なんかスタッフロール前の冒険は宝の地図の洞窟の入口候補を見せるための冒険なんじゃないかって思ってきた。


一方で、スタッフロール後が本番だよって言っても、ドラクエ9はちょっと物量勝負の面が強いようにも思える。あらかじめ大量の要素を用意しておいて遊んでもらうという形。ここらへんはポケモンはすごくて、あらかじめ用意されたポケモンのデータから、育て方やパーティの構成といった、ゲームの中に用意されていない要素が生まれている。だからといってドラクエもそういう作りにすればいいのかといったら、そうでもないだろうけどね。もしかしたらWi-Fiマルチ向けにこれを解消するような要素があったのかもしれない。


こんな感じで、ドラクエ9をポケモンと比較して考えてみた。
おこづかいが月1000円だったら、ひとつゲームを買うと半年くらいは新しいものが買えなくなってしまう。半年新しいゲームが出来ないのに、買ったゲームが1ヶ月で終わったら、そりゃクソゲーとか言いたくなるわな*3。タダでできるフリーゲームと違って、お金を出して買うゲームはそれだけ長く楽しく遊びたいという期待がかかるわけで、いろんな目的でゲームの世界を楽しめるようにするのは必須なのかなあなんて思った。
でもその要素を全部作ろうとなると、物量勝負になってしまって、開発期間は増えるやら制作費は増えるやら、遊んでみても作業プレイが増えるやらで、誰も得しなくなってくるよなー。
だからこそ、ゲームの外側に楽しみが広がっていくようなゲームがヒットするんだろうなあ、なんて思わせぶりなことを書いてしまおう。

*1:うろ覚え

*2:というか野安さんの記事を読んだからこれを書いてるっていう。

*3:こういうリスクがあるから、マジコンやら違法ダウンロードやらが流行ってしまうのだろうか。